株主優待クロス(優待タダ取り)取引とは?

優待クロス

はじめに

初心者の方が株式投資を始める際の魅力には、

・値上がり益を狙える,

・配当金を受け取れる

などがありますが、

株主優待を目的に投資を始めようとしている方も

多いのではないでしょうか?

配当金よりも優待の方が価値のある企業もたくさんありますので、

優待は株式投資の重要な要素になると思います。

優待のある株式を購入することで何となく投資家になった気分になり、

それで満足している初級者レベルの方を多く見かけますが、

本当にそれで良いのでしょうか?

おそらく後悔すると思います。

実は、株主優待を得るためのとても効率的な方法があるのです。

”優待クロス”と呼ばれている方法なのですが、あまり知れれていません。

この記事を最後まで読んで、内容を理解できた方は、

”もっと早く知っておけば良かった”と

思うはずです。

筆者自身もそう思いました。

株式投資の目的はあくまでも資産運用して資産を形成することです。

この大原則に基づいて、投資としての株主優待について書いていきます。

株主優待目的の投資 メリットは?

・1年に1回(もしくは2回)株主優待を得ることができます。

・株主になったことを実感することができ、一定の満足感を得ることができます。

・配当金と異なり、源泉徴収(20%)されませんので、お得感があります。

・長期間、継続して株式を保有していると、優遇制度のある企業もあります。

・優待が目的なので、あまり株価の変動が気にならない?かもしれません。

・値上がりすれば、売却して利益を得られます。

・株式分割し、優待が増えることもあります。

株主優待目的の投資 デメリットは?

・優待制度が突如廃止されることがあります。

(廃止が発表されると、値下がり要因になります。)

・投資目的としていた優待がなくなるわけですから、

 売却することになりますが、損失になる可能性が高くなります。

・優待制度が廃止されなくても業績が悪くなれば値下がりし

 含み損を抱えることになります。

・投資資金を長期間拘束されてしまいます。

・投資スキルの上達が見込めません。

メリット・デメリットを比較してみて

初心者の方が資産形成を目的として投資を始めるなら

投資スキルの上達は重要なのではないでしょうか?

また、少額投資家にとって資金を拘束されることは非常に不利になります。

この資金拘束をなるべく短く済ませて、株主優待を得られるようになることが、

投資スキルの上達と言えるのではないでしょうか?

せっかく株式投資を始めるなら投資スキルの上達を意識しましょう。

投資スキルの上達とは?

ここまでの記事を読まれた方は、以下のように考える人もいるでしょう。

”株主の権利が得られる一日だけ株式を購入し、

翌日に売れば優待が得られるのではないか?”

そう考える初心者の方は多いのですが、実際にはそうはいきません。

権利日からその翌日にかけては、値下がりする可能性が高いのです。

優待を得る権利がなくなる分、株式の価値が下がるからです。

(市場で取引されている株式は、その価値を株価として瞬時に反映します。)

それでは、

”値下がりしても損失を出すことなく株主優待を得ることができる”

しかも

”資金拘束されるのは最短2営業日だけ”

このような方法があったらどうでしょうか?

実は、優待クロスと言われる(正式名称ではありません)取引が、

これに該当するのです。

この手法をマスターすることが投資スキルの上達そのものなのです。

優待クロス取引とは?

この記事を読まれている方の周辺に、

株式投資をやっている人はたくさんいるかと思います。

ですが、ほとんどの人はこの”優待クロス取引”を知らないと思います。

知っていても実行している人はほとんどいないでしょう。

逆に実行している人は、徹底的にやるタイプが多いようです。

その理由も含めて、この優待クロス取引について説明していきます。

例えば、

A社株式(1単元100株)10万円の株主優待がクオカード1000円の場合で考えてみます。

権利日にA社株式を購入し、翌日に株式を売却、

これでクオカード1000円を手に入れることができます。

しかし、優待価値1000円前後、理論上は株価が下がることになります。

先ほど

優待目的で”権利日に株を買って翌日に売却する”だけでは、

利益を得ることは期待できないと書きました。

優待価値1000円分、株価が下がってしまうからです。

そこで、A社株式を購入する際に、同時に信用取引で売るのです。

「信用取引で売る」?

証券会社から株式を借りてきて売却することです。

(現物株を持っていないのに売るのことができるので「空売り」とも呼ばれます。)

先ほどのA社株式10万円のの場合で説明します。

A社株を証券会社から借りてきて市場で売却します。

そうすると売却代金10万円が手に入ります。

その後、1000円値下がりした場合、

9万9000円で購入できるので、その購入した株式を証券会社に返却するのです。

手元には売却代金から購入代金を差し引いた金額1000円が残ります。

この金額が利益になるわけです。

すなわち、値下がりした場合、利益になるのです。

この「信用取引で売る」取引と、「現物買い」取引を同時に行うことで

株価が値下がりしても、損失が出ないようにすることができます。

売り買いを両建てするのでクロス取引と呼ばれています。

値下がりリスクなしに優待を得ることができるので、

優待タダ取りとも呼ばれます。

優待クロス取引のリスクとコストは?

「信用取引で売る」取引には、制度信用と一般信用、2種類あります。

制度信用とは?

どこの証券会社でも同じ制度(ルール)の信用取引です。

貸借銘柄に選定されている株式であれば、

どこの証券会社でも「制度信用売り」できます。

※手数料や金利は証券会社によって異なります。

「制度信用売り」が増えると、「逆日歩」という追加金利が発生します。

この「逆日歩」というのがとても厄介な存在で、予測するのが難しく、

信用売りをした翌日に、「逆日歩」の金額が判るのです。

権利日から翌日かけては、株価の2%を超える逆日歩が出ることもあります。

先ほどのA社株式10万円を例にとると、

クオカード1000円分のために、逆日歩が2%(2000円)発生したら

クロス取引をする意味がありません。

この逆日歩がリスクになります。

そこで、初心者は一般信用の利用がおすすめです。

一般信用とは?

松井証券などが逆日歩の発生しない独自の信用売りサービスを始めたのが

一般信用取引です。

証券会社が独自ルールで提供している信用取引で、返済期限や金利、

返済期限までに決済しなかった場合のペナルティなど、それぞれ異なります。

今では、松井証券以外も参入してサービス内容(金利など)を競い合っているので、

使わない選択肢はありません。

さらに、

制度信用では売ることができない(貸借銘柄に選定されていない)銘柄でも

信用売りできることもあります。

ただし、制度信用に比べて金利が高く設定されています。

とはいえ、クロス取引を実行する時には、コストは確定しているので、

安心できるというわけです。

また、信用売りできる数(売り玉)に限りがあるため、在庫がなくなったら

クロス取引ができなくなります。

ですので、在庫がなくなる前にクロスする必要があります。

制度信用と一般信用の比較

制度信用は逆日歩リスクがありますが、権利日にクロスすれば良いので、

金利負担や資金拘束などのコストは安くなります。

一般信用は逆日歩リスクはありませんが、売り玉が無くなる前にクロスする必要があるので、

金利負担や資金拘束などのコストは高くなります。

初心者には一般信用がおすすめ

必ずしも一般信用でクロスする必要があるわけではないのですが、

初心者は一般信用をおすすめします。

売り玉の在庫状況を確認しながらクロスする時期を計画し、

その際のコストと優待価値を比較しながらクロス取引をすることで、

銘柄ごとの一般信用取引の売り玉の価値が把握できるようになります。

このことが投資スキルの一つなのです。

制度信用でクロスする場合は、

権利日にクロスして逆日歩が高くならないことを期待することになります。

何も考えずにクロスしている場合は博打と同じです。

この場合投資スキルの上達には貢献しません。

ただし、上級者レベルになるとある程度予測できるようになり、

・資金拘束が最短の2営業日

・支払う信用取引金利も最小の3日分

このようなクロス取引ができるようになります。

経験を積み重ねて到達できるようにしましょう。

一般信用でも制度信用でも優待クロスの特徴は、

資金を拘束される期間が短いので毎月のように資金を回転させることができ、

同一資金で1年で10銘柄以上の株主優待を得ることができることです。

少額投資家にとってこれほどのメリットは他にありません。

さらに、

値下がりリスクがありませんので、確実に成果が得られます。

初心者でも、慣れれば簡単に優待タダ取りできるのです。

初心者の少額投資家には絶対にマスターしてほしい手法です。

まとめ

このように通常の株式投資に比べると

・買いだけでなく売りも同時に注文する必要がある。

・権利日の翌営業日(権利落ち日)に、清算する必要がある。

・一般信用の在庫状況を把握する必要がある。

など、手間が掛かります。

ですが

優待クロス取引の場合、

手間は掛かりますが、確実に成果を得られるのです。

1年間、この優待クロス取引をしっかりと実行すれば、

翌年からは慣れますので、簡単にできるようになるはずです。

実行する投資家が少ないのは、このように手間が掛かるからです。

(もっとも、詳しく知らない投資家がほとんどだと思います。)

投資初心者、少額投資家の場合は、

資金効率を常に考えなくてはなりません。

特に少額投資家の場合は大口投資家と異なり資金効率が生命線です。

価値の低いクロス取引に資金を拘束されて、

身動きできなくなるようなことは避けなければなりません。

株式優待の権利日が多いのは2月、3月、6月、8月、9月、12月末になります。

その直前にIPO立会外分売など)の重要なイベントが多くなるからです。

(IPOや立会外分売POについては別に記事で説明してます。)

実は、IPO投資の方が簡単で利益の期待値も高いのです。

ですので、IPO立会外分売など)投資のチャンスも逃すことなく

優待クロスをしっかり実行することで、最大の成果を狙ってことが

株式投資において全力で稼ぐことなのです。

優待の価値(メルカリなどの取引価格)

取得コスト(金利、手数料、資金拘束期間)

上記2点と

IPO(立会外分売など)利益の期待値(当選確率と売却益)を比較して、

優先順位を考えらえるようになることを目標にしましょう。

それができるようになれば、利回り10%以上は簡単に達成できます。

(投資資金300万円ぐらいまでの場合)

せっかく株式投資を始めるのであれば、

・実益(優待、IPO当選など)

・投資スキルの上達(資金効率など)

両方を手に入れるべきです。

この優待クロス取引を知った時に、筆者はこのように感じました。

”もっと早く知っていれば良かった”

これらの投資手法(優待クロス、IPOなど)を実行している投資家は、

同じように感じていると思います。

この記事(ブログ)のコンセプトは、

少額投資家が最大限の成果を出す方法を追求することです。

少しずつですが、実践(実例)を交えながら

ブログ記事のなかで説明しています。

重要な(ブログのホーム上に貼ってある)記事を理解して、

相場に関する雑記記事(基本毎日更新)を読んでいれば、

初心者でも1年で利回り10%以上の投資家になれるはずです。

筆者”全力で稼ぐ人”より。

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コメント

  1. 自称弟子1号 より:

    目的に「投資スキルの上達」があることに
    なるほど能力にある人は目の付け所が違うと感じました。
    目先の儲けばかり追求していてはダメですね😅

  2. 虎男 より:

    う~む、結構難しいですね💦
    SBIで取引してますが、松井の信用口座も作ったほうが良いということですね

  3. […] 優待クロスとは […]

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